*注意書き
この物語りはフィクションであり二次創作です。
遵って実在する諸々と関係ないことは勿論のこと、多少本編と辻褄が合わないことがあっても暖かい目で受け流して下さると嬉しいです。
では、↓よりお話が始まりますのでどうぞ。


汗と涙のハッピー誕生日会!


それは、自身の誕生日を数日後に控えていたある日曜日のことだった。
「行ってきま〜す!」
朝早くから巴は出かけた。
己を含め誕生日が近い者達でのパーティーの仕度の為に。
それと……同じ日に生まれた双子の兄である『隼人』の誕生日プレゼントを買うために。
2人は、お互いがアッと驚く物を送ろうと勝負をしているのだ。
「(絶対大丈夫!『何を誕生日に貰ったら嬉しいか』は入念に男子達に聞いたんだもの!!)」
そして、そのプレゼントを持って隼人は今日やって来るのである。
「(当日が平日だからって宅配便で送ってくればいいのに……)」
と思いながらも久々に兄に逢えるのが楽しみでしょうがない。
≪青春台・デパート≫

聞いたところによると、それはかなりの人気らしく少々値段が高めなのにも関わらず何時も早目に売切れてしまうらしい。
猪の如く、一直線にそれの売り場に向かった。
「はぁ……ハァ……。……あっ……あった!!」
それも最後の1個だ。
それに手を伸ばす。
……が、

ーーガシッーー

「っ!?」
「っ!?」
巴と同時にそれを掴んだ者がいた。
……立海の切原赤也だ。
「なっ……何でアナタが此処に!?」
「それは話せば長くなるぜ……。それよりも今は……!!」
強引に奪い取ろうとする赤也。
「何するんですか!?私が先に掴んでたんですよ!?」
「何言ってやがる!?俺の方が先だったぜ!!それにコレは女には必要ないだろうがよ!?何だお前実は男だったワケ……?」
「何言ってるんですか!?」
踵落としを繰り出すが、ギリギリ避けられてしまった。
「うわっ!?危ねぇ!?」
「隙あり!!」
「あっ!?テメェ!!」
お互い一歩も引かない攻防戦。
果たして、ソレをてにすることが出来るのはどっちだ!?

続く

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*途中書き
赤也がいるワケは、この日曜日が例の
『サンデー事件』
『天使化・計画』
の日だからです(笑)

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暫く睨み合っていた2人だが定員から
『他のお客様の迷惑になるので……』
と注意された為、料金は先払いでどっちがソレを手に入れるか勝負をすることとなった。
ここでも、どっちがその先払いの料金を払うだの何だのとひと悶着があったのだが、それは置いておこう……。
「いいか……!?泣いても笑っても、後腐れの無い1発勝負だからな!?」
「そっちこそ!!」
2人は、新しく入荷したばかりの格ゲームで勝負をつけることとなった。
「「レディ……ファイト!!」」
それぞれキャラクターを選びおえ、戦いのゴングが鳴り響いた。
果たして、勝利の女神はどちらに微笑むのだろうか……?
【一方その頃】
≪青春台駅≫

此処に1人の少年が降り立った。
巴の双子の兄、隼人である。
隼人の頭の中は今、そのプレゼントを渡した時の巴がどういう反応をするか……という妄想でいっぱいだ。
「おっと、こうしてる場合じゃなかった!?待ってろよ〜、巴〜!!」
妹同様、1つの目的の為に猪突猛進である。

≪青春台・デパート≫

巴と赤也の周りに、野次馬がゾロゾロと集まってくる。
手に汗握る白熱戦。
赤也の目は充血していた。
サドンデスに続くサドンデス。
野次馬達に思わず
『ずっと見ていたい』
と思わせる程だ。
しかし……それは許されない……。
そして……いよいよ決着の時……。
勝つのは……、
「私よ!!」
巴のキャラが『ネリチャギ(踵落とし)』を決めた。
画面に大きく表示される『KO』の文字。
「……あ〜!!くっそ〜!!」
「やった〜!!それじゃ、約束どおりアレは私が買いますからね!」
「あぁ……約束……だもんな……。煮るなり焼くなり好きにしな!!(あ〜あ、もうすぐ14歳だっつうのに、先輩達に拉致られるわ、欲しい物は手に入らないわ……散々な日曜日だぜ……)」
「そんなことしませんよ!?(もうすぐ13歳だから、きっと神様が特別サービスしてくれたんだ……!)」
同じ日に生まれたというのに、一方はハッピー。
もう片方はアンハッピー。

≪そして……≫

誕生日会当日、これまた同じ日に生まれた堀尾が……巴は自分の為に色々とリサーチしていたのだと勘違いしていたのが原因で、その期待をいっきに裏切られて血の涙を流すことになるのは別のお話である……。

終わり

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*後書き
時間がかかってしまいましたが、何とか書き終えました。
短編を書くのになれていないので、色々とグダグダしていますが暖かい目で見守って下さい(苦笑)
S&T2の、巴の10周年を祝う……というお目出度い席にスペースを頂戴いただきありがとうございました!




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