『HOT SUMMER MORNING』


長かった夏休みが開け、ようやく新学期がやってきた。

太陽がギラギラで、学校に行くのはかなり億劫になる。

今日はサボっちゃおうかなーなんて考えていたら・・・。



「加羅。ほら、学校行くぞ。さっさと用意しろ。」

「跡部・・・・。」


人ん家の玄関のドアを勝手に開けて、跡部がズカズカとリビングに乗り込んできた。

うちの親はもう仕事に行ってしまったということはもう知っているらしい。

・・・跡部は毎日私を迎えにやってくる。

いくら私が学校に行くのが面倒くさいとか言ってもそんなのお構いなしに学校に連行されてしまう・・・。

こうなったら、仮病しかないわね!



「ゴメン・・・。今日学校休む・・・。」

「ダメだ。どうせ暑いから行きたくねーとかいうくだらねー理由なんだろ。」



バレてるし・・・。

コイツ、なんでこういうことには目ざといのかなー。

でもココで負けるわけにはいかないのよ!!



「ほ、本当に具合悪いんだってば・・・。見てよ、この顔色。」

「俺には顔色バッチリに見えるけどな。」

「・・・ゴホッゴホッ・・・。あー、気持ち悪い・・・。」

「その割にはバッチリ飯を食ったみたいだな。」



テーブルにはさっきまで私が食べていたご飯がバッチリ乗っていた。

ゴハンにお味噌汁にお魚に・・・・・・。

気持ち悪いなんて言ってる人がこんなに食えるはずないだろってぐらいの量だった。



うぅー。

このままじゃ学校に連行されるぅー!!

今日は行きたくないんだよー。

こんな暑い日に学校なんかに行ったら溶けて死んじゃうって!!



「お前なぁ・・・。なんでそんなに学校行きたくねーんだよ。」

「だって面倒くさいじゃない。暑いし。」

「・・・やっぱりサボる気だったんだな。」

「あ・・・。」



コイツ!はめやがった!!

跡部のクセに!!

跡部のクセにー!!!



「もー!!いいじゃない!私は今日は休む!だからアンタは早く学校行きなさいよ!!」

「ダメだ。お前がどうしても行かないって言うなら、こっちにも考えってもんがあるぜ?」

「な・・・・何よ・・・・。何たくらんじゃってるのよ?!」

「お前が俺の女だって、周りに言いふらすぜ?」

「はぁ――――――――っ?!止めてよ、バカじゃないの?!」

「そこまで嫌がるなよ・・・。」

「嫌に決まってんでしょ!アンタ、正真正銘のバカね!」

「何だと?!」

「そんなことされるぐらいなら暑いの我慢して学校行った方がマシ!全然マシ!!早く学校行こう。」



私は自分の部屋に着替えに行くために、跡部に背を向けた。

でも、跡部に強く腕を掴まれてしまった。



「痛っ・・・!ちょっと、何すんのよ!!離してよ!!」

「・・・・・そんなに俺のことが嫌いかよ。」

「な・・・何よ・・・急に・・・。」



跡部の瞳が急に悲しげになった。

おいおいおいおい!!

これじゃ私が完璧悪者じゃん!

むしろ私の方が被害者じゃん!

脅されたんだよ?!

なのになんでお前が悲しそうにしてるんだー?!



「俺は・・・お前のこと好きなのに・・・・。」

「・・・・・・・・・?!」



あ、跡部が私のこと好きって言った!!

あの跡部が!!

何様俺様跡部様の跡部が!!

コイツ・・・自分から告白とかしたりすんのね・・・。

ちょっと意外・・・。



意外なことを言われたもんだから、私の心臓はドキドキ状態。

しかもあの跡部から言われたから、心臓の鼓動は尋常じゃないぐらい速い。



よくよく考えてみれば、私跡部に結構ヒドイ事言っちゃったかも・・・。

しかも男をここまで落ち込ませたなんて、ちょっと複雑だし。

・・・謝ってやるか。



「跡部・・・・?あの・・・さっきは・・・」

「今日は学校サボるぞ。」

「・・・・・・・・・は?」

「今日は学校にはいかないで、ここで俺様の魅力をタップリ教えてやる。」

「・・・意味が分からないんだけど。」

「フッ。これだからお前はダメなんだ。」

「アンタにダメとか言われたくないんですけど・・・。」

「・・・お前が俺様のことを大好きになるようにレッスンしてやるっつってんだよ。」

「はぁ〜?何よそれ。アンタやっぱりバカよ、バカ。バカベー?頭は大丈夫ですかー?」

「バカベって言うんじゃねぇ!・・・フン。そんな大口叩けるのも今のうちだぜ。」



跡部は私の腕をぐいっと引き寄せると、そのまま私を抱きしめた。

抵抗するものの、私が跡部に敵うはずもなかった・・・。



「あのねぇ・・・。暑苦しいのよ。離して。」

「俺様のことを好きだって言えば離してやるよ。」

「あーそう。好き好き好き好きー。これでいい?」

「もっと感情こめて言いやがれ。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・好き。」

「・・・・合格だ。」



私たちは朝っぱらから・・・・キスをした。

リビングの窓から近所のおばさんとかが見てないかとかちょっと不安だったけど・・・。

私は跡部からの優しいキスを拒まなかった。



「さぁて。今日は何をしようかな?」

「何言ってんの。学校行くに決まってんでしょ。」

「何でだよ。さっきまで行きたくないって行ってたくせに。」

「今のアンタといたら何されるか分からないからね。」

「フン・・・。残念だったな。時計見てみろ。」



リビングにある時計を見てみると、なんとすでに一校時目が始まってしまっていた。

さすがにここまで遅刻すると学校に行く気は一気に失せてしまった。



「あーあ・・・。もう、アンタが変なこと言うから!!」

「元はと言えばお前が行きたくないとか言うから悪いんだろーが。」

「・・・・・・・そ、それは・・・そう・・・だけど・・・。」

「・・・ってことで、今日はずっと俺様と一緒だ。よかったな。」

「よくないし!!」

「遠慮するなよ。」

「してません!!!」

「さぁて・・・。何して遊ぼうか・・・・・・?」

「や〜め〜てぇ〜〜〜〜〜!!!!」





・・・先生。

私はもう絶対にずる休みしようとか考えません。

毎日ちゃんと学校に行きます。

だけど、今日だけは。

今日だけはこのワガママな男と一緒にいさせてください。





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弥生さんにリクエストして頂きました!跡部、LOVEですvvv
俺様で自信家で強引なところがよいですね(*^^*)
素直になれないヒロインも可愛いです!!
結局のところ、二人ともラブラブなのですね♪
弥生さんの書かれる跡部ドリームは、本当に素敵なので大好きですvv
本当にありがとうございました!!



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